伝統的組織論では、計画、組織、統制という管理過程のうちの組織編成過程に重点をおいているため、仕事の組織を設計し、これを如何に維持するかを中心課題としている。したがって、経営目的達成に必要な職能の抽出、その職能の分割と配分、各担当者間の権限・責任の明確化という3つの段階を経て組織が形成されることになる。
こうした組織設計活動の成果として組織構造を有効に稼動させるためには、幾つかの組織原則が不可欠である。一つは「専門化の原則」である。経営目的を達成するために職能を分割して、同質の仕事に従事できるように配分しなければならない。部門の目的を効率的に達成するための職能別部門組織は、この専門化の原則を適用して編成されている。
二つ目は「責任・権限一致の原則」である。権限とは職務を遂行するために与えられた力であり、責任は上位者に対して負っている職務遂行義務である。したがって、権限と責任は職務を介して対応関係にあるが、このうち、権限は部下に委譲できる委譲権限と管理者が自ら行使する留保権限とに分けられるが、義務は委譲することはできない。
三つ目は「統制範囲の原則」である。一人の管理者が直接管理できる範囲には限界があり、通常スタッフ業務は4?5人、定型的なライン業務では30人程度といわれている。ここで問題とされるのは、統制の範囲の幅と組織階層の問題である。すなわち、範囲が狭いと組織の階層が増えるが、広ければ統制が困難になるというジレンマがある。
四つ目は「命令統一の原則」である。組織のメンバーは、直近の上司からの命令で行動しなければならないという原則である。しかし、この原則が貫かれるためには、命令権者が万能であることが求められるが、現実には難しいことであると考えるべきである。こうした不合理は時として組織の硬直化を招く虞があることに留意しなければならない。
そのほかに「例外の原則」をあげる人もあるが、この原則は伝統的組織論においても、計画段階での問題であるから、むしろ、トップマネジメントの問題として位置づける方が適切であるように思われる。つまり、定型的意思決定あるいは非定型的意思決定というレベルの問題と捉えれば、組織論よりも経営戦略の課題と見るべきである。
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