一つの纏まりを持った仕事を1人でこなしている職人のような形態では、原則として協働する仕組みとはいえないから、組織的行動もありえないことになるかもしれないが、現実には、この場合でも家族や弟子などの助力を必要とすることを考えれば、規模の大小を問わず、何らかの協働組織が形勢させていると考えるべきである。
つまり、何らかの役割を分担しているわけであるが、これがやがて専門化されてくると、一つの職能として認知される(職能分化)。当初は合理的なシステムとして重宝がられるが、あまりに専門化し過ぎるなど単純化してくると、業務が単調になり全体の協働システムの中の位置づけに対する認識が希薄になってしまい、対応力が低下してくるようになる。
こうした段階になると、分業化によって職務を分担しただけでは各職務間に生じるコンフリクトを調整できないことに気づき、職務の性質により配慮したグループ化を志向するが、この場合はグループの業務を束ねる管理者を選任する必要も生じてくる。そうなると、管理者の責任と権限を明確にしなければならなくなる(職務明確化)。
こうして整理された職務の塊は、一つの統制範囲をもった部門となり、それぞれの部門には権限と責任を備えた管理者が配置される(統制範囲の原則)。ここで設定された一定の範囲を持った部門で組織全体の業務が完結する場合は別として、一般的には一つの部門が更に階層化されなければ、組織目標達成のためには不都合でるという状況が生じる。
これが階層化である。そうなると従来の部門間の調整を図る管理者は、階層化によって上下左右間の伝達や協議といういわば結節点としての役割を担う必要が生じてくるため、階層化に伴い複雑さが増す職務を円滑に遂行するためには、それに相応しい命令権限を付与しなければならないが、同時に命令の錯綜を防止する措置も講じなければならない。
このような組織編成過程を辿り、階層化された組織は文書化されたプログラムによって、組織的に運用システムが出来上がるのである。もちろん、この仕組みは直径組織ないしライン・スタッフ組織を前提としたものであるから、現代経営もしくは業種・業態にとっては馴染まないかもしれないが、組織の編成過程においては概ねたどる思考回路である。
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