トップ・マネジメントは、株主、債権者、労働組合、消費者、地域住民、公共機関などの利害関係者の利益を調整することで社会的責任の遂行を確保する受託層、長期的展望のもとで、創造的・戦略的意思決定を重視し、企業全体の経営活動を総合的に指揮管理する全般経営層に分けられ、前者は取締役会によって、後者は社長によって担われる。
CSRが強く求められている近代経営においては、企業の効率化、合理化、企業における人間疎外の克服、社会的文化的諸価値に対する企業の社会的責任遂行が不可欠である。特に、最近の社会現象を見ると、倫理的に規制された行動規範が脆弱であったため、企業の存続が危ぶまれる状態にまで立ち至っているケースが多い。
こうした状況下における経営計画と統制はどうあるべきかをじっくり見極めたうえで実施されなければならない。経営戦略を含む経営計画は、経営管理機能の中で最も重要とされる計画設定であって、経営戦略の実行計画としての意義を持っているため、もはや単なる将来の予測とは異なり、将来に向けての活動方向に向けての意思決定である。
計画の意思決定は、その目的ないし目標に到達すべき実行可能な道順を示すものであり、最終的にはトップ・マネジメントによってなされるが、そのプロセスは組織的な活動によって設定された計画であることなどがその要件である。これらの特質を持つ経営計画は、予測?目標設定?方針?プログラム立案?手続きの確立というプロセスで設定される。
形式的には、信託層である株主から資本を預かり、効果的かつ効率的に運用することを請け負っている取締役会は、受託層としての役割を果たすために全般経営層である社長を選任し、自らも業務の一翼を担うわけであるが、実態としては、取締役会の一員としての立場と業務執行者としての取締役の行動にはかなりの乖離が認められる。
具体的には、信託層である株主と受託層である取締役会は、一種の委任契約関係にあるわけであるから、経営のプロとして、株主が負担しているエージェントコストの回収および高配当実現に向けて最大の努力を払う義務があるはずなのに、取締役個人の安全や保身のために権限を濫用している場合もしばしば見受けられる。
コメント