競争戦略のタイプ

 まず、市場シェア拡大戦略であるが、新製品を市場に導入しようとしている時期には、製品開発や品質競争に重点が置かれることになるが、市場が成長期の後半にさしかかると、製品ラインの拡大、製品多様化戦略、販売促進戦略、販売チャネルの統合政策などが重要な戦略となってくる。自社が先発企業であれば余力が多いわけであるから有利に戦える。
 市場がやがて成熟期に入ると、市場を細分化して自社の強みを生かせる固有の新製品を投入して、旧製品に対する愛顧と合わせて広告活動を強化する戦略が採られる。「新製品をアピールするとともに、これまでの○○もよろしく」といったCMがそれである。この戦略選択の基準は多様な切り口があることは以前に紹介した通りである。
 成熟期に入った場合もう一つ検討される戦略に、利益管理戦略と呼ばれるものがあるが、これは戦略というよりも、使用資本利益率の増大を図るためにとられるもので、ローコスト・オペレーション、VAの適用、製品ミックス戦略などに利益の極大化に力点を注ぐものであり、要するに利益管理の一環としてとられる管理方向である。
 もう一つは市場集中化戦略である。これは上におけるリーダー企業以外の企業が、市場細分化戦略により、自社の競争力を高めようとする戦略であるから、見方を変えればニッチ戦略と見て差し支えない。つまり、現時点でトップ企業にとっては深追いする魅力に欠ける市場ニーズ(潜在ニーズ)について最大のシェアを目指すわけである。
 いずれの戦略も、任意に選択するというものではなく、どのような切り口で市場を規定したならば、有利に戦えるかという課題が潜んでいるので、結局のところ市場における自社の位置づけ、ないしは製品の位置を確認した上で選択しなければならないから、戦略の選定に先駆けてポジショニング分析を行うことが不可欠である。
 すなわち、この場合に検討されるべきは、競合企業のプロフィールを明らかにすることであり、その内容は、生産設備、マーケティング力、原材料や商品の仕入ソース、研究開発力、企業の文化、人材力などである。これらの要素を自社の経営資源とつき合わせて見ることにより、最も有利と思われる戦略を選択しなければならない。