したがって、累積寄与率は98.90%となり、この総合指標(主成分1、2)により、ほぼ99%が製造業の規模間格差を説明できることになる、ここで得られた結論は、「1社当り売上高」、「1社当り付加価値額」、「1社当り利益」、「1社当り総人件費」、「1社当り総従業員数」は、「企業規模」そのものを表している。
全く同様に、「付加価値率」、「分配率」、「人件費率」はその代表が「付加価値率」であり、「1人当り売上高」、「1人当り付加価値額」、「1人当り利益」、「1人当り総人件費」を代表しているのが「付加価値生産性」とみて間違いないようだ。つまり、この業界は「企業規模」、「付加価値率」、「付加価値生産性」によってその位置づけが決まってくる。
この尺度を基にプロット図を描いてみると、「付加価値率」、「付加価値生産性」ともに高く、かつ「企業規模」も大きいのは、1,000人以上だけである。次に、比較的「付加価値生産性」は高いが、「付加価値率」は低いゾーンに属するのが、100?1,000人未満、50?100人未満、規模計だけであるが、1,000人以上との格差はかなり大きい。
「付加価値生産性」が低く、「付加価値率」も低いゾーンに属するのが、20?50人未満、10?20人未満、「付加価値生産性」は低いが、「付加価値率」は高いゾーンに属するのが、5?10人未満、3?5人未満、2?3人未満、2人未満である。1,000人以上を別格とみれば、規模が大きくなるほど、「付加価値生産性」は高くなることを表している。
一方これと反比例するかのように、「付加価値率」は低下していく傾向が窺われることから、小規模企業の課題は「付加価値生産性」の向上であるが、これをどのような視点で捉えるかによって対応の方向が異なる。つまり、IT化などの推進により売上自体を伸ばす方向もあるかもしれないし、生産ラインの見直しも効果があるかもしれない。
いずれにしても、効果と効率の両面から検討することになるだろうが、85%以上が20人未満の企業であることを思えば、少なくとも、「1人当り売上高」を20,000千円以上、「1人当り付加価値額」6,000千円以上を目指すことで、この集団から抜け出すことにチャレンジする価値はありそうだ。規模の拡大はそれからでも遅くはない。
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