「付加価値率」は、「人件費率」と相関が強い。「分配率」は、「1人当り付加価値額」、「1人当り利益」と負の相関が強い。「1人当り売上高」は、「1人当り付加価値額」、「1人当り利益」と相関が強い。「1人当り付加価値額」は、「1人当り利益」、「1人当り総人件費」と相関が強い。「1人当り利益」は、「1人当り総人件費」と相関が強い。
以上の結果らも容易に想像できるように、業種特性は「付加価値生産性(主成分1)」、「付加価値率(主成分2)」の高低によって表現される。なお、このときの主成分1の寄与率は66.93%、主成分2の寄与率は16.38%であるから、累積寄与率は83.32%となり、この総合指標(主成分1、2)により、83%以上が業種特性を説明できることになる。
これを用いてポジショニングマップに業種特性をプロットしてみると、「付加価値生産性」が高く、かつ「付加価値率」も高いゾーンに位置する業種は、科学、電気機器、輸送機器、精密機器、電力・ガス・水道である。「付加価値生産性」は高いが、「付加価値率」は低い業種は、石油石炭、鉄鋼、非鉄金属、情報通信機械器具の4業種である。
「付加価値生産性」、「付加価値率」ともに低いゾーンに位置する業種は、食料品、繊維、衣料、木材、紙パルプ、窯業・土石、一般機器、その他製造、建設業、卸売業、小売業、不動産業、情報通信業、農林水産業であり、全体の半数近くがこのゾーンに位置していることから、中小企業性が高い業種特性を現していると見られる。
「付加価値生産性」は低いが、「付加価値率」は高いゾーンに位置する業種は、印刷関連、金属製品、運輸業、サービス業、飲食店・宿泊業、医療・福祉、金融・保険の7業種で、これらの業種はいずれも労働分配率が平均を上回っていることから、中小企業性が更に高く、かつ労働集約的であるという特徴を現しているものと思われる。
ただし、この分析ではどの業種が有利であるかどうかを明らかにはされていない。例えば、石油石炭は1人当り付加価値額(付加価値生産性)が33,326千円で平均の9,361千円を大きく上回っているが、付加価値率では平均の18%に対して6.7%と低くなっている。これは、業種には固有の特性があることを表しているに過ぎない。
コメント