市場シェアが高くかつ市場も拡大しつつあるというのであれば、経営資源も豊富であるとみて差し支えないであろう。こうした企業が高齢者の雇用システムを開発する場合は、豊富な資源を人材育成や開発に再配分できる余裕があるわけであるから、教育・訓練体系を整備するなどの能力増強投資を積極的に行うべきである。
こうした状況にある場合は、雇用の拡大という社会的責任を果たすという意味もあるし、企業のイメージをPRするという意味でも積極的であることが、リーダー型企業の採るべき戦略として最適である。つまり、社会的存在としての価値を強力に訴えることが、市場における求心力を磐石にする一番の近道でもあるわけだ。
また、高齢者を積極的に活用する姿勢を打ち出すことで、エコマークなどと同様に企業自体の付加価値が高められる効果があるため、今後の製品開発にも追い風となる可能性が高い。こうした先発企業の成功をチャレンジャー型の企業は見逃さないから、やがて追従することになるが、その時点では先行した投資の償却がかなり進んでいるはずである。
かくして先発企業に水をあけられた後発隊は、距離を縮めようと背伸びをするため、その分競争力が弱まるので、リーダー型は有利な戦いができるサイクルが確立される。トップ企業といわれる著名な企業が、近年率先して定年延長や定年制廃止などの措置を打ち出しているのは、こうした目論見もあってのことと思われる。
少なくとも、65歳までの定年延長に踏み切り、高年齢者を第一線の戦力として位置づける人事・労務制度を確立することで、若年層の将来も保証することになるため、企業全体の士気も高まることが期待されることから、定着率も向上したというデータもあるぐらいなので、勇気を持って一歩踏み出すことを期待したい。
賃金体系の見直しや退職金制度の見直しなど課題も多いと思われるが、年功的処遇を薄めた能力主義の人事管理体制を構築すれば、定年延長は決して不可能な制度ではないし、高齢者の将来設計図が見えてくれば、実質的な企業の負担も軽減されることになるのだから、目先のコスト増のみに幻惑されていては変化を読みきれない。
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