目標管理制度導入に向けての環境整備

目標管理制度においても、プラン、ドゥー、チェック、アクションのマネジメントサイクルは重要な評価ステップでもある。このサイクルを回す前提となるのが、組織の使命明確化→具体的目標の設定→効果的な仕事の進め方、などが絶えずチェックされているということである。これには他の部門との調整も当然含まれる。
 具体的にいうと、自部門の仕事は何か、どのような目的を達成するために行うのか、その責任の程度、手段の適正性などをチェックしながら、全社目標、部門目標との整合性を確かめる。こうしたチェックに基づいた是正措置(アクション)が円滑に進められるよう、事前に環境を整備しておくことが制度設計のポイントである。
 また、目標管理制度の導入に当たっては、単純でルーチンな作業は馴染まないので対象としないなど、導入の範囲を設定することが必要である。また、目標に含まれなかった仕事や目標達成のために犠牲になった仕事(例えば、売上高と回収の関係)についてどのように評価するかなどのルールを合理的に設定しなければならない。
 更には、統制不能な環境変化により、成果が上げられなかった場合やその逆に環境が追い風になり、成果達成が容易になった場合の評価方法など細目に亘り、検討しておかなければならないことは多いが、目標の難易度も含めて完全な導入に踏み切る前に、試行錯誤を繰り返しながらまず試験的に導入してみるのも一つの方策である。
 目標設定のポイントとしては、明確で具体的であること、そしてできれば数値化し計測が可能であること、達成するための方法やアプローチが明確に示されていること、会社の目標、部門の目標、個人の目標が同一のベクトルを向いていることなどであり、要するに目標管理制度を機能させるためには、目標を具体的で判定可能なものにすることである。
 以上のように、目標管理制度は成果主義的人事労務制度の中核をなしているといえるが、現実に導入するとなると、対象を絞り込むことや目標の設定方法についてなど、中小企業にとってはかなりハードルが高いと感じられる面も少なくない。その点を考慮すると、成果主義的給与制度から始め、本格的に目標管理制度を目指すのが現実的かも知れない。