経営者の新たなシグナル、それは新たな管理システムを作ること

中小企業の中には温情味が持ち味と自負している経営者も多く、成果を切り口に管理者を評価することを躊躇している場合もある。しかし、付加価値生産性が停滞している原因がそこにあるとしたら、その犠牲になっていると思われる他の管理者やメンバーに対する温情はどのように表すというのであろうか。
 確かにこれまで功労のあった管理者に対して、手のひらを返すような処遇は慎むべきかもしれないが、企業の維持・発展を犠牲にしてまで、温情に拘る理由は見あらないので、これまでの管理システムを変えようということになった場合、どのような管理システムを構築すればよいのだろうか迷うところである。
 プロセスを重視してきた従来型のマネジメントシステムを改め、より結果に重点をおいたシステムを志向するのであれば、経営組織、人事トータルシステム(人事評価と給与制度をリンクさせたシステム)を構築することになるので、程度や内容には若干の相違はあるものの、目標管理を軸とした制度に落ち着くことになるものと思われる。
 この制度の特徴は、個別またはグループ別にその年度の目標を設定し、年度末にその達成度を評価する制度である。個別の目標(何をどれほど達成するか)を年度当初に設定するので、1年間の活動実績が明らかになるため、成果主義人事制度の切り札として注目されているが、上司とのコミュニケーションのとり方などに左右されるという難点もある。
 しかし、個別に目標を設定するので、仕事に対するイメージが明確になることから、メンバーのやる気を促進させることができる。上司との目標設定面接を通じて、十分なコミュニケーションを図ることができるので、仕事の内容や達成度について納得した上で進めることができる。達成できたこと、できなかったことが明確には把握できる。
 つまり、目標管理制度は、各自の目標の達成度を評価する、成果主義的人事制度そのものであるが、企業の全体目標と個別目標の関係を把握しきれないと、個別の目標が一人歩きすることになりかねない面もあり、性急に給与制度と結びつけるのは危険であるということも念頭において制度設計をすべきである。