差異分析の進め方

計画と実績の差異分析は、販売計画や利益計画以外にも用いられるが、ここでは販売計画に限定して説明することとする。まず、差異が生じる局面は、販売数量、販売単価、販売品目、販売時期、顧客獲得数、客単価などである。計画段階では当然目標が設定されているわけであるから、計画と実績を対比して差異数値が把握されるわけである。
 大抵はここで終了してしまい、肝心の分析に踏み込み適正な是正措置を講じるまでに至っていない。それではどのようなプロセスで分析を進めるかであるが、例えば、販売数量に差異が生じたとすると、販売品目、販売時期、顧客獲得数などを精査する必要がでてくる。その結果、販売品目に問題があることが明らかになったとする。
 そうすると、今度は改めて目標達成品目について分析することになるが、その段階では販売先(顧客層、市場)、販売単価、販売時期が検証される。このような段階を踏むことで問題点を掘り下げていくと販売計画改善の方向が見えてくる。例えば、販売先に原因がある場合は、品質の問題、価格の問題、納期の問題などが明らかになる。
 もちろん、これらの複合的な問題であることもあるかもしれないが、いずれにしても、これらの問題を整理して上申することまでが差異分析の範囲に含まれる。他の問題も同様に、差異が生じたらその最大の原因を突き止め、今後の実績向上に結びつく、問題解決手段と思われるものを列挙し選択をする。
 このプロセスを円滑に進めるコツは、そこで明らかになった問題の解決手段をまず列挙する。次に、その手段を目的に置き換え、これを解決する手段を列挙する。この工程を繰り返すことで最良の手段を選択する。こうした草の根レベルの分析を地道に実施することにより、販売先(顧客層、市場)に対する問題点も浮かび上がってくる。
 これらの情報を自社のポジショニング分析とドッキングさせることで、他社との競争の仕方や商品力の強さもより明確になり、経営戦略や中長期経営計画の策定にも有用な示唆を与えることになってくる。このように考えると、決して侮れないのが計画と実績の差異分析であるということが理解できるであろう。