これまでの記述では、主題である担当者別販売計画については、あまり具体的には触れてこなかった。その理由は担当者別販売計画を実のあるものにするためには、前述の「計画と実績の差異分析」と「全体の年次計画策定参加」の2つで十分であると考えているからであるが、問題は差異分析の内容と取り組み姿勢である。
ある流通業では営業マンの見通しを参考に販売計画を策定し、これを各担当者に配分するという旧来型の計画策定を長年実施していたが、ごたぶんにもれず売上は低迷し、経営に赤信号が点滅し始まったため、経営革新に取り組むことにした。そのときに提案したのがここで掲げた2つであった。
まず、「計画と実績の差異分析」は、?計画に示された目標あるいは標準と遂行状況の比較、?問題の発見と原因の明確化、?解決すべき問題の列挙と選択というプロセスで行われる(2/19日投稿の記事より)。差異が明らかになれば、その差異に対する是正措置を講じ、販売目的達成に向けて方向づけるために調整する。
次に、「全体の年次計画策定参加」であるが、差異分析と是正措置が繰り返された結果を踏まえ、所長(部門管理者)も参加して販売計画を策定する。この段階では、従来とは比べものにならない情報が蓄積されているはずなので、設定された目標達成の可能性は高いものになるし、担当者の意見も反映されているので違和感は軽減されることになる。
このやり方を導入した企業では、当初は従来とさほど変わらない計画となったが、自分の立てた計画を自分が責任をもって達成しなければならないので、差異分析の段階ではあまりにも大きい落差が生じていると、さすがにうしろめたいらしく、是正措置を提示する局面では、顧客(市場)情報を丁寧に収集するようになった。
結果的に導入初年度はそれほど大きな成果は見られなかったが、次年度以降は着実に売上を伸ばし、計画と実績との差異もかなり縮小している。他にも経営課題が山積しているため、急激な回復は望めそうもないが、革新的取り組みにより達成感を味わったことがきっかけとなり、全社一丸となって更なる革新にチャレンジしている。
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