得意先を分析する手法としてよく用いられるのは、ABC分析と呼ばれるもので、顧客と売上高、利益貢献度、回収率などをクロスさせ、高い順に並べて累計額をパレート図にプロットさせる。これにより、自社への貢献度をA?Dなどに分類し、その貢献度を目安に得意先管理の重点を絞り込もうというものである。
実際には、業種や業態により、また企業によって必ずしも重点が絞れるような情報が得られない場合もあり、実用化するにはかなりの加工が必要である。特に、企業の置かれている状況によっては、売上高、利益(率)よりも回収率を重視しなければならないという窮状を念頭においた分析もあり得るので一層困難な場合がある。
上記のような理由で、得意先の評価は企業の置かれている状況によって様々であるが、潜在需要を探るという意味では、日常の業務活動で得られた情報の方が、はるかに価値がある。具体的には、得意先の自社製品もしくは同種製品の総需要(流通業の場合は再販売額)、自社製品に対するロイヤリティ(得意先内でのシェア)などである。
逆に言えば、これらの情報がなければ、ある得意先は売上貢献度が高いからといって、販売促進の対象としたとしても、潜在需要が存在するかどうかは不明であれば、営業マンやマーケティング担当者は、あまり意味のないアプローチをすることになり、企業としては費用の無駄遣いをすることになる。
最も、この分析の利用方法は、このようなストレートな使い方だけではなく、工夫次第では有用な情報を引き出せることもある。例えば、特定の商品についての販売額や総利益、販売頻度(得意先の購入頻度)などと得意先の月別実績を対応させることにより、顧客の隠されたプロフィールを発見することができる。
不特定多数の顧客を対象とする業態の場合は、性別、年齢、職業、主婦、学生、購買時間帯など比較的得られやすい情報と品目、購買額を対応させて、顧客のプロフィールと人気商品の品揃えの関係を割り出す場合にも活用されるが、これらの情報を複合情報としてまとめて解析するには、多変量解析を用いるのが効果的である。
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