前述のように、利益計画の達成は直接的には営業マンの手腕にかかっているが、実際には、製造部門を始めとする他の部門との連携によって支えられているから、販売成績もそれぞれの部門の計画達成意欲によって左右される。そのため、細分化された計画はさらに細かな目標となり、各メンバー個人によって管理されることになる。
このとき、各部門のメンバーには、自己に与えられた目標は全社目標を細分化したものであることを認識させなければならないが、同時に、個人に課せられた目標を達成すれば、全体目標が達せられるというものではないことも理解させる必要がある。すなわち、個人目標、部門目標、全社目標の関係について共通の理解が求められるわけである。
以前テレビで年俸制を取り上げたことがあったが、ある商社で年俸制を取り入れ、成果と年俸の関係をルール化した。ある部門では目標を達成したので、当然これに見合った年俸を期待したが、会社側としては、他の部門が低調だったので約束した年俸の原資が獲得できなかったという理由で、ルールは1年で破綻してしまったというのである。
この制度はたぶん設計の段階から無理があったように思われる。私が企画した成果主義制度は、こうしたことを想定して、個人目標、部門目標、全社目標の関係を明確に規定しておいたのである。すなわち、個人目標、部門目標、全社目標を全て完全に達成した場合は、を100%と評価するという仕組みにしたのである。
つまり、ここでのコンセプトは、同じ会社の社員であるという共通性を、ある種の運命共同体と位置づけ、全社目標や部門目標が未達成の場合は、個別の社員に何等責任がなかったとしても、複合的な要因によって目標達成が阻害されたことが明らかである以上、全体で責任を負うことは当然であるというルールにした。
このルールの問題点は、個人が目標達成に対して努力しても、他の部門のメンバーがブレーキすれば、何等関係のない自分にもペナルティが課せられるという点であろう。しかし、団体スポーツなどは全てそれを承知の上でチームを結成している。これを動機づけに生かせるかどうかも達成意欲と無関係ではないような気がする。
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