財務目標は財務数値で示された経営計画であるから、財務予算(資金予算)あるいは単に予算の達成を意味することもある。一方の市場目的は売上高、市場シェア、総利益などである。当然これらの関係は密接であり、財務目標は市場目標を達成することにより達成されるが、財務の弾力性を保証することで市場目標の達成を援護している。
財務計画で設定されたROIが最終的な財務目標となるから、投下された総資本に対する利益率が具体的な目標値ということになるので、市場目標を達成するための市場戦略が不適正であれば、財務目標は達成されないことになる。換言すれば、市場戦略の失敗は投下資本の効率的運用に失敗したことを意味している。
財務リスクに陥っている企業は、市場戦略の失敗を謙虚に認めようとしない場合が多く、大抵は大企業などの価格攻勢が原因であると嘆いている。しかし、消費者ないしユーザーから支持された(支持されない)結果であることは事実なので、自社の戦略が通じなかったという事実に変わりはないわけであるから、経営責任は免れない。
このような失敗の原因は様々であるが、おおもとの原因は設備投資などの投資決定の甘さにあることが大きいように思われる。在庫投資などが過大である場合もないわけではないが、環境変化に目を凝らしていれば、換金性が高いだけにリスクは最小限に止められる可能性が高いが、設備投資は減価償却に頼るしかないので硬直的である。
つまり、設備投資の経済計算は慎重に行うべきであり、資金調達も含めあらゆる可能性を想定してシミュレーションを行わなければならないのだが、希望的観測を定規として意思決定を積み上げてしまい、果たせるかなこのボタンのかけ違いが致命的な結果をもたらしてしまったというケースはかなり多いように思われる。
問題はすでにこうした状況下にある企業が、現状を踏まえてどのように建て直しを図るかであるが、未償却の設備資産を有効に活用することにのみ固執すると、市場戦略が限定的なものになり、財務目標達成がより困難になることも考えられるから、市場におけるこれまでの信用力を活用して仕入販売なども視野に入れた対応も検討すべきである。
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