流動比率を適正水準に保つための方策を講じていますか

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流動比率は短期の支払い能力を示すもので、流動資産(現金・預金、売掛金、受取手形、棚卸資産など)と流動負債(買掛金、未払い金、支払手形、短期借入金などの)の割合で示される。通常安全といわれる数値は120?150%である。つまり、年度内に支払う必要のある流動負債の2?5割増程度の流動資産が必要であるということになる。
 このように流動比率が100%を割り込むと資金繰りがショートしてしまうため、緊急に資金を調達しなければならなくなるが、企業によってはそれほどタイトであるとは受け止めていない場合がある。その理由は、短期借入金などの一部が書き換えなどで慢性的に処理されているため、事実上長期借入金化しているためである。
 こうした状況が常態化すると、資本構成が不適切なままであっても、当面の資金繰りには窮しないため、敢えて長期借入金に組み替えるなどの措置はとらない場合もある。これは単に怠慢というだけではなく、短期借入金のままで書き換えを繰り返していた方が、返済のための元金が発生しないという苦肉の策でもある。
 また、この流動比率が100%を超えている場合は、流動資金と流動負債を相殺する形で両方とも同額減少させれば、流動比率は上昇することになるが、100%以下である場合には低下してしまうので、総資本のスリム化を図ることができないというジレンマもあるが、借入金の組み換えが可能であれば実施すべきである。
 抜本的に流動比率を高める方策は、上述のように短期借入金を長期に組み換えすることであるが、収益力との関係もあり、一気に財務構成を改善することができないのであれば、まず、流動比率が100%になるまで短期借入金を長期に組み替えた後、長期在庫品の処分などにより、応分の流動負債を減少させることで流動比率を高める。
 このように二段階で流動比率を高める方策を講じることにより、流動資産回転率が高まるから、必然的に総資本の回転率も高まることになり、総資本対営業利益率が上昇することになる。こうして資金効率を高めることになれば運転資金量も減少し、キャッシュフローの増加にも繋がる可能性が高い。