借入金の返済計画にマッチしたインタレスト・カバレッジ・レシオが確保されていますか

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インタレスト・カバレッジ・レシオとは、負債の金利支払い能力を示す指標で、次のような式で計算される。ICR={(営業利益+受取利息+受取配当金)/支払利息}
しかし、支払利息は現金で支払われるから、分子の(営業利益+受取利息+受取配当金)も損益計算書上の利益ではなく、キャッシュフローで計算しなければならない。
 その場合は、ICR={(営業キャッシュフロー+受取利息+受取配当金)/支払利息}となる。インタレスト・カバレッジ・レシオは高いに越したことはなく、この値が大きいほど金融機関などの債権者にとっては安全とみなされるので、それだけ資金調達が有利になるなど、企業価値の評価も高くなる。
 一般に借入依存度の高い中小企業の場合、その分支払利息も大きくなるため、インタレスト・カバレッジ・レシオは低くならざるを得ないが、1倍を下回ると年間のキュッシュフローで金利すら賄えなくなるので注意が必要である。借入金の残高と償還年数を勘案して、インタレスト・カバレッジ・レシオの目標水準を設定することになる。
 本来の借入金返済計画は、新たなプロジェクトにより得られる収益をCF分析によりシミュレーションして、資本回収係数あるいは実現可能な実質金利をもとめた時点でインタレスト・カバレッジ・レシオの目標が明らかにされるものであるから、目標水準を割り込んでしまえば、収益計画ばかりではなく財務構成計画も見直す必要がでてくる。
 まず、収益計画を見直す場合の視点であるが、売上が低下したため利益の源泉である限界利益が不足しているのか、価格競争に巻き込まれて総利益率が低下したのか、それとも両者が複合的に作用しているのかである。こうした場合は、製品計画ないし仕入計画を見直すとともに、市場開拓戦略まで踏み込んで検討しなければならない。
 次に、財務構成の見直しが必要な場合はどのような観点から検討すべきなのだろうか。この場合はなんと言っても、遊休資産の処分あるいは有効活用であろうが、中小企業の場合は、すでに担保として提供している場合が多いので処分を躊躇するケースが多いが、預金担保の相殺も含めて素早く対応する勇断が必要である。