幹部社員は常に自己研鑽を積み重ね、後輩の憧れの的となっていますか

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組織体制が確立されており命令系統も明確にされていれば、命令・権限・責任も明確になっているはずであるから、幹部社員はその重責を全うするためには、常に自己研鑽を積まなければならないが、その姿は後輩にとって目標となるのは当然であり、日本的経営の魅力でもあるわけであり、企業の安定感を高める要因でもある。
 中小企業の幹部社員は、会社の草創期にはそれなりの活躍をし、それが評価されて現在の地位にあるものと思われるが、企業が成熟化し市場競争力が低下してくると、権限も責任も部下に委譲してしまい、自己の責任を回避するような行動が目に付くようになる。上司も部下もそうした無責任を見抜いているのだが本人は認識していない。
 果たせるかな、ある日突然リストラを宣告され、自分の居場所がなくなったことを気づかされる。渋々再就職口を探すことになるのだが。折角面接のチャンスに巡り会えたとしても以前の会社の批判をたらたら述べてしまいあえなく不採用となる。それでも依然として部長であったことの誇りだけは捨てていない。
 数年前に再就職希望者を対象にしたセミナーの講師を務めたことがある。普段は以前自分が所属していた会社の批判に終始している人が、グループディスカッションになると、「うちの会社では?だ」などと大声で主張するのである。思わずあなたの会社とはどこですかと聞いてみたくなるような奇妙な行動である。
 組織が硬直化すると、このようにかつては優秀といわれた人も、組織の中に埋没してしまって自分の足元さえ見えなくなり、現状の問題から目を背け部下に責任を押しつけて体をかわそうとするようになる。このようにして土壌が腐敗してしまうと、組織内のいたるところに「言い訳」が蔓延してしまい改革は一層困難になる。
 こうした幹部社員を非難するのは簡単だが、それだけでは何の解決にもならないことを認識しなければならない。これは社員の意識や資質の問題ではなく、そうした土壌の腐敗を容認した経営者の責任以外の何者でもない。もしも、幹部社員が必要な自己研鑽を怠っても幹部に留まっていられるとしたら、その仕組みに問題があるといわざるを得ない。