将来ビジョンを社員全員で共有できる組織が構築されていますか

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将来ビジョンとは、経営理念を具体的な目的にブレークダウンした経営目的を、時間軸で示したものであるから、単にこうなりたいという希望ではなく明確な経営戦略がセットされ、これを実現する道筋が解かりやすくかつ可能性が認識できるものであることが条件である。つまり、達成のためのプログラムが適正に示されなければ意味がない。
 上述のように、目指すべき将来の姿を示すだけでは意味がないので、具体的には、トップの経営理念とこれを具現化するに相応しい協働システム、これを支える人材がバランスよく育つ仕組みづくりが用意されていることが前提条件であるから、トップのリーダーシップにより人材を育成する姿勢が何よりも大切である。
 一時期3Kなどと称して現業部門の職種を軽蔑する風潮があったが、その時でも、自分の仕事に誇りを持ち続けたワーカーはけっこう存在した。そうした人達の心の支えとなったのは、「自分の造った製品が美味しかったとか使い勝手がよかったなどと評価されたときである」といコメントを聞いて救われた思いがしたのを思い出す。
 気のせいかもしれないが、最近の経営者は従業員に対して熱い思いを語らなくなったように思われる。企業である以上利益を追求するのは当然であるから、従業員に対して具体的成果を求めるのも不思議はないが、経営理念が従業員に理解されていなければ、協働システムとしての組織で成員のやる気を引き出すことはできない。
 それではどのような組織が構築されている必要があるかといえば、ずばり言って、企業理念と従業員のベクトルが一致していることである。もちろん、両者の価値観が完全に一致している状態をイメージすることは難しいが、そうであるからこそ、ベクトル、つまり目指すべき方向が一致していることが大切なのである。
 われわれ人間は、必ずしも理性によってのみ行動するものではないが、明らかに根拠のない非論理的な行動は抑制されるので、正当な評価に基づいた処遇は、動機づけの基本であることは異論のないところであろう。そうした人間同士が共通の目的に対して協働することに同意しているのであれば、そこに共通の文化が醸成されるのは自然なことである。