競合相手の動向を客観的に数値で捉え、適正な対応策を講じていますか

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

競合相手の動向を客観的に数値で捉える方法は、これまで何度か述べてきた主成分分析によるポジショニング分析が有効である。この手法は単に自社と競合相手の位置関係を知るだけではなく、客観的な財務指標を多く用い、その背後にある業界の特性(総資本回転率型、売上高営業利益率型、均衡型)も明らかにできるという特徴がある。
 このポジショニングマップを正確に読み込むには多少の専門知識が必要であるが、自社のポジションに相応しい戦略を示唆してくれるというメリットを考慮すると、やはり有力な分析方法であると評価できるが、常にリアルタイムで原データ(経営指標)を入手できるとは限らないという面も考慮する必要がある。
 次にこの活用方法についてであるが、分析結果の読み込みが適正であれば対応策も適正であるはずであるが、現実には結構困難な場合が多い。というのは、ここで明確になった自社のポジションは、業界における一つの強みと解釈することができる反面、弱みそのものであると見ることができるからである。
 したがって、実際に活用するためには、改めて企業イメージや個別の製品ごとにポジショニング分析を行うなど、より慎重に取り組まなければならない。もちろん、各種の経営指標は全ての情報を包含しているわけであるから、この分析に習熟している場合は、最初の分析だけで適正な対応策を打ち出すことも可能である。
 活用方法について一例をあげると、ある業界でこのポジショニング分析を行ったときのことであるが、その業界は典型的な売上高営業利益率型であった。即ち、総資本回転率は極端に低いことから、最終的経営成績を表す総資本対営業利益率を上げるためには、売上高を増やすことで、総資本回転率を上げことはそれほど寄与しない。
 こうした業界のなかにあって、ある企業は、総資本回転率はかなり高いが売上高対営業利益率は低いため、これらの相乗積である総資本対営業利益率も低いが、従業員一人当たり付加価値は比較的高いというポジションにあった。これは明らかに設備産業の中にあっても、人的資源の活用力次第で生き残れる可能性があることを示唆している。