定期的に観測する企業や事業所を決めていますか

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他社の経営状態を正確に把握することは困難であるが、売上高や従業員数の変化を把握することで戦略の転換、その意図する方向などは読める場合が多いから、これらの情報を肉付けする意味で顧客の評判や場合によっては取引銀行の動向なども参考になるが、M&Aの対象としているわけでもなければ、それほど詳細なデータは必要ない。
 他の企業を定期的に観測することの意義は、その背後にある顧客の購買行動の変化を知ることで、自社の戦略を検証することにあるわけであるから、他社の機密情報を引き出すというスタンスではなく、お互いに情報交換するといオープンな関係を築き、自社独自の情報の精度を高めるぐらいの位置づけにとどめるべきである。
 しかし、同業者同士では意外にこの関係は築きにくい場合があることと、仮によい関係を保てたとしても、情報が偏ってしまい本当に自社が求めている情報は手に入らない。つまり、交換できる情報はお互いに熟知しているものが多く、消費者マインドの変化を掌握するにたる情報としては不十分である。
 定点観測の勘所は、まずその意義を社内で共有できるように明確に位置づけ、観測すべき項目、観測の方法、データの解析方法、一定した評価方法などが事前に定式化されていることである。さらに、この情報をどのように加工し、自社の経営に活用したかまで記述されなければ、漫然とした観測に終始してしまうことになる。
 こうした一連の観測ツールが機能し、環境変化が素早く掌握できるようになれば、製品開発や業態開発にも活用できるので、これまで一般の社員にはブラインドになっていた暗黙知も、形式知として共有化される可能性が高まり、良質な企業文化が形成されナレッジ・マネジメントが実現できる。
 具体的な手法としては、まず、各種統計資料から業種全体の情報を収集し、地方、市町村へとブレークダウンして観測企業のシェアや売上高の推移を論理的な方法で推定する。定期的に観測すれば、当然そのトレンドが明確に把握できることになるから、これを客観的に解釈することで自社の戦略の妥当性も検証できる。