権限責任一致の原則は守られていますか

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経営組織において職能が分化され専門化されてくると、職務が明確化されグループごとに管理者を配置することになるから、管理者には職務に応じた権限・責任・説明義務が付与される。このうち権限は部下に委譲できるものと管理者自らが担う留保権限があるが、いずれの権限を行使するに当たっても責任は管理者に帰属する。
 権限を巡る解釈には種々のものがあり、権限法定説はその源泉は私的所有財産権においているのに対して、権限受容説は、権限の行使をメンバーが容認できる範囲内に限られるとしている。この中間に位置するのが権限職能説であり、権限は職務に本来そなわっているものという考え方に基づくものである。
 いずれの説も一長一短はあるが、現代企業には権限職能説が受け入れられているように思われるが、問題はその行使と責任の関係が曲解されていることである。つまり、管理者が自ら行使する権限は責任の所在も明らかであるから問題ないが、部下に委譲した権限が行使された結果、責任まで転嫁してしまっているケースの場合である。
 ここで責任とは、職位に割り当てられた仕事を遂行し、その結果にも責任を持つということであるから、報告する責任も含まれていることを認識すべきであるのに、現実には部下に丸投げしてしまい責任を回避する管理者がいる。これは管理者本人の自覚の問題であると同時に制度上の欠陥でもある。
 目標による管理の原則から言えば、最終的に割り当てられた職務目標は、ダブりがないことが鉄則である。つまり、同じ目標を二人のメンバーが別々に持っているとしたら、一人は完全に無駄であるというのが基本的な考えである。もちろん、委譲されない権限もあるので一概にはいえないが、管理体制の欠陥が無駄を容認していることは確かである。