企業経営には目的があり、この目的を達成するために協働する組織を編成し、これを活力あるものにするためリーダーを配置する。リーダーとなる者には絶対的条件があるわけではなく、組織の目的や状況によって適正なタイプが異なると説いているのが、P.ハーシー&K.Hブランチャードである。
この理論によれば、組織の協働志向が低くかつ部下の成熟度も低い場合、リーダーは指示型(教示型)が望ましい。つまり、手取り足取りで部下を一から指導する面倒見のよいリーダーが望ましいが、協働志向は高いが部下の成熟度はそれほど高くない場合は、指導型(説得型)がよいとしている。
また、協働志向は高く部下の成熟度もある程度高い場合には、助力型(参加型)すなわち大枠で部下に任せ、主要な部分で助言・助力すれば足りるが、逆に協働志向が低く部下の成熟度が高い場合は、部下を信頼し殆どを任せる委譲型(委任型)がよいという四つのタイプのリーダーを示している。
この理論は、高潔で有能であることが常にリーダーの条件であるという伝統的な考え方に異を唱えたものと思われるが、現実の企業の現場に当てはめてみると共感する部分も多いので、私はもっぱらこの説に従ったリーダーシップを企業に推奨しているが、現実には額面どおりには受け入れられていないような気がしている。
それでは実際にどういうタイプの人材をリーダーとして配置しているかといえば、ずばり言って仕事の実績である。もちろん実績を重視するのは上記のリーダーシップ論と矛盾するわけではないが、リーダーの資質と組織状況、部下との相性がバラバラでは、せっかくの実績も返って逆に機能してしまう。
与えられた仕事をテキパキとこなす能力、協働システムの中で販売実績などあげる能力、非定形的な問題を時間的制約の中で解決する能力、メンバー間の調整力など多様な能力が
組み合わされて、イキモノとして進化を遂げていくのが企業組織であり、過去の実績のみを尺度としてリーダーを決めるのは適正な選択ではない。
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