経営基本管理の徹底こそ廃業率の低下には必要である

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現在の国は創業支援に力を入れている。この背景にはひところのような開業率が低迷し、廃業率を下回ってしまったことに対する危機感があるのだろう。しかし、手厚い支援にも関わらず、一向に新規の雇用を誘発している傾向は見られず、費用対効果の経済原則からすると、不採算な事業であると言わざるを得ない。
 もちろん、その効果は長いスパンで判断すべきであり、近視眼的に見た評価は必ずしも正しくないかもしれないが、実質的な効果を期待するのであれば、創業支援よりも企業再生も含めて廃業を防止する方を優先すべきである。何故ならば、廃業を検討している企業といえども、既に社会的存在として認知されているからである。
 つまり、一旦法人として認知されれば、ヒトとして生きる権利義務が生じるわけであるから、簡単に本人(経営者)やステークホルダーのみが、その存廃を決定する裁量権を与えられていると考えるのは誤りである。現在のように関係者の自由裁量により廃業が簡単に決められるのであれば、支援を受けて新規開業した企業も同じ裁量権をもつ事になる。
 創業を支援するということは、その後の操業が魅力あるものであることを伝える意味があり、創業を志すものに対する動機づけが本来の支援内容であるべきなのに、現在の支援スタイルは、至れり尽くせりの支援メニューになっており、この甘やかし方からは真の企業家精神は育ちにくいように思われる。
 本来事業とは、命をかけて行うものであり資金も自己調達が基本である。さらに言うならば、経営ノウハウは自分の汗と脂で先駆者から盗み取り、徐々に身につけるというのが企業経営の醍醐味でもあるはずだ。この厳しさが企業経営の原点であることをまず自覚させることこそ、廃業の防止と創業支援ではないだろうか。