社会的貢献商品とは何かをもう一度チェックしてみる

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古代エジプトの言葉に、「あなたが今食べている三分の一の量で、あなた自身を養い、残りの三分の二で医者たちを養っている」というのがあるそうだ。言いえて妙としか言いようがないだけに一層身につまされる思いである。してみると、古代人は今の禁煙ブームなどはとっくにお見通しだったのだろうか。
 少し負け惜しみを言えば、世の中無駄があるから生きられるのであって、全く無駄を省いてしまったのでは、息苦しくて一日も生きられないような気がする。そうとでも考えないと食料品の製造業者や流通業者ばかりか、あらゆる産業で無駄を生産しているようにも見えるからである。
 例えば携帯電話などはどうだろう。無駄どころか公害まで撒き散らす存在になっていることを知りながら、日進月歩で新しい無駄を提供し続ける先端技術産業として認知されている。私たち一般市民は確かに便利さを求めて技術革新を歓迎してきたが、今のような功罪を予測していたわけではない。
 古代人流に言えば、正しく自分の享受する便利さよりもはるかに企業の利益に貢献している。最も、マナーの悪い使い方までメーカーは責任がもてないという議論もあるが、商品として流通させるためには、社会的に貢献度の高いものであることが前提であり、単に使い勝手がよいというだけでは適正ではない。
 これからの製品開発は、地球温暖化や環境汚染などにも十分配慮して行う必要があり、中小企業といえども無責任な対応は許されないから、ヒット商品を生み出そうとするならば、単なる欲求充足商品にとどまらず、資源の適正配分や有効利用にも十分配慮した社会貢献商品を目指すべきである。