目標による管理方式の導入

目標による管理方式の導入により、期中に目標の達成度について上司と面接し、進捗状況を数値で確認できる判断基準をつくる。これに加えて、賃金制度も成果主義型をベースにした職能給制度に改定し、人事考課制度もダブル考課、自己申告を加えたトータル評価システムとする。
 このように賃金制度とトータル評価システムをリンクさせた制度は、前述したようにトータル人事システムと呼ばれ、目標による管理方式と相性がよい。もっとも、本来の目標管理制度は自己管理・自己評価が原則であり、ここでいうダブル考課とは相容れないのかもしれないが、賃金制度との兼ね合いを考えれば、多少の妥協は許容範囲内と考えてもよいように思われる。
 ともあれこの制度の基盤は、仕事を進める過程で仕事の進捗状況やそれを判断するチェック機能が明確であること、必要な情報がスムーズに流れてくること、各人の目標、計画などの設定ルールが明確であることなどである。当然ことながら、組織全体の目標、職場の目標、他部門の目標、各メンバー個人の目標が有機的に作用するように各職場をオープン・システムにしておくことが前提である。
 また、この制度を支える管理者の役割も重要であり、各部門間の調整役として連結ピンの役割を担う管理者は、情報の流通ばかりではなく、組織全体の目標に沿った仕事の進め方までにも気配りをする役割を担っている。ただこの制度を導入しても本格的に稼動するまでにはかなりの助走期間を設けることが必要であり、性急に効果を求めると場合によっては成果を意識するあまり、挑戦意欲を抑制する危険性もあるなどデメリットもある。