トラブル防止・解決に結構役立つゲーム理論

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

企業活動は競争によって支えられているからトラブルはツキモノである。これを未然に防ぐことが企業のリスク管理なのだろうが、トラブルの宝庫とも言うべき企業内にあって、リスクを先取りして本来の企業活動を円滑に推進するのは至難な業である。
 つい最近も、関与先の企業が大きなトラブルに見舞われ、その解決に数年の歳月を通やした。ようやく決着したというのに、関係者の誰も満足せず苦い後味だけが残ったが、こうした結末は当初から十分予想されたのに、法廷の場に持ち込まれるという路線に乗り込まざるを得ない状況に立ち至ってしまった。
 この場合の直接経費はもとより、有形無形の間接費用や逸失利益まで含めると、膨大な損害になるにもかかわらず何故か突き進んでしまう。こうした大きなトラブルはそう滅多には無いにしても、小さな芽は結構多いことに気づかされる。
 こうしたトラブルを結果的に呼び込んでしまうのは、非論理的な行動が根底にあるためではないかと考えられる。かくいう私などもその例外ではなく、例えば、「明日は病院に行く日なので、今日は天ぷらや焼肉は控えよう」などと言ったりする。これは明らかに非論理的行動である。つまり、自分の健康を護るために病院に行くのであり、医者から血糖値や血圧が下がったと褒められるために行くわけではないからだ。
 経営上の問題でトラブルが発生したとき、この非論理的思考に陥ってしまうと解決を遅らせてしまう。私は初期の段階から関わった場合は、ゲーム理論を応用して対処することが多い。特によく用いるのは「囚人のジレンマ」や「ナッシュ均衡」などである。
 これを用いる意図は、非論理的思考に支配されている深層心理を論理的思考に引き戻し、経営の原点である損得勘定で、トラブルの解決と非解決の功罪を当事者に評価させることにある。平たく言えば、双方の当事者にとって経営上何が得かという共通の思考様式を提供するわけである。