潜在的需要とは、お金を持っていても物資統制のためモノが手に入らないとか、値段が高くて手がでないが安くなれば買えるとか、所得が増えれば買えるといった場合などのように、何らかの事情で表面に現れない需要のことを言う。これに対して潜在的欲求とは、需要としてはっきり確立されるまでには至っていないが、心の底に潜んでいる欲求のことである。
マーケティング上で考えると数限りなくあり、かつてのパソコンや携帯電話などがその典型的な例といえるだろう。つまり、情報を早く伝達したい、複雑な計算を正確にしかも早くやりたいという欲求は顕在化しているとみることもできるが、そんなことができるはずがないという常識からすると潜在的欲求と見るのが妥当である。
私がコンサルティングの過程で提案したものとしては、バナナを房ではなくバラで売ってはどうかというのがありました。店の主人は一房単位で安く売ることに専念していましたが、売れ行きが芳しくありませんでした。客層が単身世帯や学生が多いことに着目してバラ売り(一本単位)の販売を提案しました。
結果は大成功でした。これなどは、バナナ自体に人気がないとか、価格が高いというのではなく、色々なモノを少しずつ食べたいという「潜在的欲求」に応えたものである。
また、別の例では、スーパーマーケットの店主や店員は、「当店の顧客は安くて新鮮なものを求めて来店しているに違いない」という先入観(偏見)で凝り固まっていた。そこで私は、「顧客はトータルな経済性を求めている」という「潜在的欲求」に着目して店づくりをすることを提案したわけである。
つまり、個々の商品の安さよりもお客様のライフスタイルや家族構成にあった「価値の提案」をすることに力を注ぐ戦略に転換したのである。そうした対応が顧客の支持を得て、売上が急速に伸び、結果的に商品の回転率があがり、低価格による販売も実現できるようになったので、スーパーマーケット本来の機能が取り戻せた。
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