消費者が「販売価格が高い」と判断し、購買を断念するケースはおよそ次の3つのケースが考えられる。一つは、商品(製品)の価値は認めるものの、自分の予算やそのときの持ち合わせ状況などによって、高いと判断する場合である。次に、商品の価値を認めるかいなかは別として、他の店ではそれより安く売っているという場合である。
もう一つは、消費者の価値観からして到底その価格では購買できないと判断する場合である。市場細分化や製品開発、製品差別化戦略だけではなく、全てのアクションにはコストが伴うが、消費者はそのコストを負担するために購買・消費するのではなく、あくまでもその商品を使用・消費することによって得られる「効用」と上記のような「価格」を比較考量して購買・非購買の意思決定をしているわけであるから、開発者である生産者や販売業者は、「この価値、この値段、ならどういう消費者がどのような状態のときどれくらい買ってもらえるか」をあらかじめ想定して価格を設定しなければならない。
こうした情報は事前に入手できることは稀ではあるが、さりとて、まず開発ありきでは成功はおぼつかない。ましてや、そのために費やした費用を商品に転化できるはずがない。企業活動における収益とは、「価値の提案」が消費者に認められた結果、その報酬と考えるべきものである。
したがって、コストが回収できない、収益が思ったほどあがらない、といった嘆きは、「価値の提案」が不充分だったことを意味していると考えるべきではないだろうか。こうしたダメージを受けないために、マーケティングが必要になるわけである。
「どういう消費者の、どうゆうニーズに対して、どのような差別的な方法」でアプローチするのかを明確にし、これに相応しい戦略を打ち出すのがマーケティングの役割である。そうしたプロセスをへて開発コストを上回る収益にたどりつく。
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