店の電灯消せば取り敢えず経費の節減になる。しかし、そのことによって、店は休業だと顧客が勘違いし、売上げの機会を逸してしまえば、電気の節減効果をはるかに上回る損失となる理屈だが、背に腹は変えられず目先のメリットに走ってしまうことはよくあることだ。
リストラはこれとは違うという反論にあいそうだが、確かに、リストラは止むにやまれぬ状況に陥り、仕方なく断行するものであるから、決して気楽なものではないかもしれない。しかし、それは現状における発想であり、そのような状況に陥らないようにどれだけ努めたかという総括の結果なのだろうか。
あるホテルの相談に応じたときのことである。売上げは一時期の約半分に落ち込んでいるが、従業員数は当時の8割程度にしかなっていない。現在の売上げを基準にすれば、従業員数はあまりにも多いのだが、これ以上リストラを敢行するとサービス体制が軟弱になり、いざというときに顧客の不評を買うことになる。
また、これ以上施設の稼働率を落とせば、赤字は回避できたとしても経営資本の無駄使いになるし、ということでさんざん嘆いた結果の相談であったが、この時点では、半ば緊急避難的にリストラを行うことは避けられないと判断せざるを得なかったものの、これまでの経営状況をまず分析して見ることにした。
驚いたことに、売上げが今の2倍もあった時期は、なるほど施設の稼働率もよく、毎期連続して黒字を計上していたが、生産性という観点からすると全く評価できない状態であった。つまり、従業員一人当たり付加価値は業界水準を大きく下回っているのに、労働分配率は異常に高く、従業員一人当たり月平均人件費はかなり低いという状態であった。
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