生産性を高めるためには何が必要か

従業員一人当たり付加価値を高めるためには、従業員1人当たり有形固定資産を増加させるか、設備効率(付加価値/従業員1人当たり有形固定資産)を高めるかである。有形固定資産が増加したとしても、付加価値がそれほど高まらなければ、生産性の向上には繋がらない。
 逆に従業員数が減少しても付加価値がそれほど減少しなければ生産性は向上することになるが、単に生産性を向上させることだけが経営目的ではないので、実際には効果と効率の両面からのアプローチが必要であるが、生産性の向上は処遇面にも直結することなので、この水準を高めることは企業にとって大きな課題の一つである。
 上述のように、生産性を高める方法には、有形固定資産を増やす方法、減らす方法、従業員を減らす方法、そして有形固定資産を有効に活用する方法の4つである。このうち、有形固定資産を有効に活用する方法以外は、一般的には従業員のレベルで統制できる範囲にはないので、人事労務管理上は除外して考える。
 もちろん、有形固定資産自体が陳腐化して、稼働率が悪いという問題もあるかも知れないが、ここでは、企業内での相対的な生産性を問題にしているので、同一の土壌を所与の条件としてどれだけ生産性を高められるかという問題に集約される。
こうなると、もはや生産性の問題というよりも、企業に対する帰属意識、仕事のやり甲斐、生き甲斐、達成感といった自己実現意欲をどれだけ引き出せるか、という動機づけの問題であるから、目標管理をベースとした職務の充実・拡大を図る自己管理型のフレキシブルな制度を導入する必要がある。
 企業の置かれている状況によっては、そうした制度を改革する暇がないことも予想されるが、かといって、設備投資もままならないとすれば、頼みの綱は従業員だけである。また、従業員にとっても、無いものねだりをしても得られるのは何も無いことを悟るべきである。