部門予算を編成する場合のポイント

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

まず編成しなければならない予算の種類であるが、大きく分けると損益予算と資金予算の2種類からなっている。損益予算とは、売上予算、売上原価予算、営業費予算、仕入予算のことで、仕入高予算は更に仕入高予算と在庫予算に分けられる。一方の資金予算は、現金収支予算、信用予算、資本収支予算からなる。
 各部門における損益予算は、売上予算を基礎予算として位置づけ、販売部門の責任において編成されるので、販売分析、市場調査、経済観測などの資料に基づいて数値化される。ここで販売分析は、過去の販売実績を、月別、製品別、市場別、顧客別、販売経路別に分析し、季節変動のパターンや趨勢を明らかにする。
 仕入予算は、購買部門の責任において編成され、売上高予算の販売見積量に期首・期末の商品在庫(これは在庫予算として別途編成)を加減し、年間の必要量を算出しこれに予算購買価格を乗じて作成する。営業費予算は、一般管理部門で編成されるが、各損益予算を調整しながら統合された見積損益計算書として作成する。
 次に、資金予算編成であるが、まず、現金収支予算は、財務部門の責任で行われ、現金収入見積と現金支出見積からなり、これに期首と期末の現金残高の予定を加えて算出する。信用予算は、販売および購買部門との連携のもとに行われる。財務部門の責任において設定される売上債権回収計画、仕入債務支払計画を中心に編成される。
 最後に資本支出予算であるが、これは設備投資計画に基づいて、予算期間内の資本支出を見積もるものであるから、財務部門の責任で編成され見積貸借対照表に集約される。以上が各種予算編成のポイントであるが、これらはいずれも統制システムがセットされていなければ、機能しないことにも留意しなければならない。