社会現象に着目したアイディアのスクリーニング

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中小企業が製品開発に挑む場合、既存の事業分野に関連した製品を選択するのが無難であること、シーズ型に拘り過ぎないことなどは以前に述べたが、アイディアのスクリーニングは経営者の頭の中では絶えず渦巻いているものと推察される。
 当然アイディアや閃きといったものは、それぞれの感性であるから製品開発には不可欠なものであり、それは偶然の産物であったり、試行錯誤の賜物であったりと様々であるが、市場に対するアクセスの容易性なども考慮すると、製品化に結びつくのはほんの一握りである。
 その点からすると、社会現象という切り口は自社の既存製品分野とも案外近いことに気がつくはずである。何故ならば、市場展開をしている企業は、少なくとも社会現象をモニターしながら、戦略をコントロールしているに違いないからである。
 そうした意味では、特別ここで強調する意義も薄いことになるのだが、一般的に表面的な現象に幻惑されて、本質を追及する姿勢が希薄になっていると感じているのは私だけでしょうか。企業にとって「売れる」ことは命綱であることは私自身が身に滲みていることである。
 しかし、環境問題や地球温暖化問題を引き合いに出すまでもなく、健全な消費者が永続的に存在していることが、マーケティングの大前提であるとすれば、消費者をいたずらに疲弊させることは得策でないことは自明の理である。
 前輪と後輪、アクセルとブレーキがクルマに必要なように、消費者に快適さと安全を提供する責務は規模の大小を問わないはずである。中小企業にとっても社会貢献商品の開発は、身近なテーマであり、そのヒントは社会現象の中に潜んでいる。