販売チャネルの多様化・小ロット化に対応した製品開発

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例えば加工食品を開発しようとする場合、消費者はこの食品を「ナニ」として食べるか、どんな時にどんな食べ方をするか、何と一緒に食べるか、何時どこでどのぐらい買うか、食べた後の満足度はどうか、購買者の属性(プロフィール)はどんなものか、などの情報をクラス分けして収集・蓄積・分析・加工するシステムを構築する。
 上記の消費者動向と自社の加工食品の特性の組み合わせのうち、最適なものを選び出し、最適なコミュニケーションのもとで、最適なチャネルを通じ販売する、いわゆるブランド発進力を強化しなければならない。そのためには、仕向け先のニーズ(生鮮卸・小売販売、製造加工、ダイレクト販売など)に合わせた流通チャネルを開拓する必要がある。
 その場合、産地に集積する水産加工業者、卸・小売などの流通業者、運送業者に漁業者も加わり、産地産業にとっても消費者にとっても、付加価値の高い製品(商品)を最も合理的なルートで流す仕組みをつくるなどはどうだろう。
 従来は各部門の業者が、自己管理原則に則りもっぱら自社製品や漁獲物を、一定の枠内で流通管理してきたため、非効率なコストは一方的に末端の消費者が負担してきた(例えば過剰在庫による維持管理費用、実車率60%に満たない車の稼働率のつけ)。こうしたそれぞれの業種や企業の埋没コストを、上記の産地システムで一元的に管理できれば、総コストはかなり削減される。
 産地システムとしてうまく機能するようになれば、消費者にとっても便利であるから、ある種のワンストップ性がさらに求められてこよう。こうした場面も想定すれば、従来販売のみが課題であったチャネルを、逆機能させることにより、産地に不足している機能を強化させることで、深い顧客満足を演出することも可能になる。