対象顧客と市場規模によって規定される製品計画

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ここで言う製品計画とは、品質や性能あるいは属性といった狭義の製品計画ではなく、誰に向かって何を訴え、最終的に顧客満足と自社の財務目標を一致させるかといった、マーケティング戦略の中核をなすマーケティング・ミックス計画のことである。
 したがって、この計画はまず対象顧客を誰に絞り込むかが出発点になるが、財務目標との関係もあり、対象顧客の異質性に着目するか、それとも類似性に着目するかなど、市場規模をどのように捉えるかも重要なポイントの一つである。
 ある食品製造業の事例で説明すると、まず標的市場の絞り込みであるが、多角的に分析した結果、一般家庭、高齢者世帯、若年者層、業務用に設定することにした。このときの市場目標は、一般家庭向け市場でのシェア低迷は、明かに価格競争力の低下によるものであるから、奪回のチャンスは見出せる。
 一方の高齢者世帯には高品質で高価格の製品を投入し、深い顧客満足を演出することで高収益の獲得を目指す。ここからもたらされた利益を若年者層の潜在ニーズの発掘と育成に投入する。また、業務用市場では深追いをせず、経済ベースより社会的使命の遂行に重点をおき、企業イメージ維持向上を目標とする。
 次に、ここで設定された標的市場とそこでの市場目標を達せするため、製品計画(狭義の)を策定した。一般家庭向け市場には、「高品質」よりも「安定した品質」の維持にこだわると同時に、付加価値率の高い原価構造を構築する。
 高齢者世帯には、従来の高品質に加え小ロットの購買に耐えうるパッケージや、調理方法、保存方法などを見やすく工夫するなど、属性的製品戦略にも配慮する。若年層向けには、製品開発のヒントを探すというスタンスで臨み、将来的には当社のフアンに誘導する。
 業務用にはコアとなる中核的品質よりも、社会貢献に対する企業の「こころ意気」を内外に示すことで、デモンストレーション効果をもたらす演出を工夫する。当然のことながら、価格政策、販売チャネル選定、プロモーション戦略もセッティグされた。