ある中小製造業の販売促進策は営業マンによるプッシュ戦略というよりは、長年の信用と人脈を活用した大量販売が主なものである。今後もこの方式が主流になることは疑う余地はないが、問題はその方法である。現在のような販売促進型営業形態では、正常な価値の交換はおぼつかない。
つまり、この方策は販売先が最終消費者の「購買代理人」としての役割を十分に果たしていることが前提条件であり、チャネルキャプテンとしての権限が大手小売業者に集中し過ぎている現状においては、消費者の真のニーズを満たすことよりも自社(販売先業者)の売上を優先したものになっている。
こうした販売促進型は、人脈をつくる上で有効に作用し、固定客づくりに寄与するという思いこみはなかっただろうか。もしそうであるとすれば、現在の停滞はありえないということになる。この現実は当社の期待とは裏腹に、顧客は他社の価格攻勢を心の底では期待している証左であり、当社もその移り気を抑えこむために低価格を提示してきたという構図が浮かび上がってくる。その皺寄せが売上高対総利益率および売上高対営業利益率の低迷に表れている。
売上高は、「品質」、「価格」、「販売力」の相乗積でトータル的にもたらされるものと考えられる。そうした意味で、セールスマンの資質を向上させることは大きな課題の一つである。これには、商品説明などの販売技術やクレーム処理能力など、基本的な資質を高めることはもとより、会社の目標を常に意識した行動力までも含まれる。
こうした広い意味での営業力は、教育・訓練や給与面などのインセンティブによってのみもたらされるものではないが、当社の現状では、セールスマン個人の資質に偏りすぎていることと、これを引き出すための叱咤激励型の活用戦略になっていることが懸念される。つまり、「仕事の与え方」、「公平な評価」、「正当な処遇」、「適正な教育・訓練」などが有機的にリンクしていないものと判断される。
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