自社の得意とする分野(特定製品・品質)に絞り込む戦略

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専門分野に特化することのメリットは、これまで再三述べてきたように、経営資源を1点に集中できるため無駄が省けることと、それによってローコストオペレーションが確立されることにあるが、反面、何らかの事情で販売不振に陥ると、経営に壊滅的な打撃を与える。
 ひらたく言えば、カレーライスの専門店は、カレーを好む顧客には深い満足を提供できるが、ラーメンを注文したいヒトには、全くそのニーズに応えられないということである。このように専門化戦略は、市場規模を縮小して付加価値を高める戦略と位置づけられる。
 このように考えると、利益の極大化を目標に掲げている企業にとって、どちらが有利かという単純な問題ではなく、市場を細分化した場合の総需要、安定性、自社および競争業者の経営資源などを総合的に勘案して、目標水準を設定しなければならない。
 ここで得意分野とは、どのように捉えたらよいのだろうか。先ず始めに頭に浮かぶのは、技術力に関連する分野であろうが、マーケティング上の優位性というやや広い視野からみれば、流通チャネル、マネジメントスタイル、チャネルキャプテン、資金調達力を含む余剰資源の存在など多様なものが考えられる。
 その枠の中で、特定の製品や品質を絞り込むと考えれば、多様な組み合わせが可能になり、企業全体としては、専門分野の事業単位を複数抱えることになるから、トータルとしての市場規模には変化がなく、危険分散の意味からも望ましい形になる。
 企業のライフサイクルで考えると、自社の得意とする専門分野から立ち上がり、力を蓄えた後に総合化を目指すが、この途上において経営資源の最適配分をデザインする。これがドラステックに行われたときに絞込みを強く意識するだけで、総合と特化を繰り返すライフサイクルのなかの1ステージで選択されるべき戦略である。