経営資源の再配分を志向する戦略

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長期経営計画の単年度分は予算に置き換えられ、これを基に組織活動が動き出すことになる。その会計年度の総決算が損益計算書と貸借対照表に纏められるが、これは中・長期経営計画からみれば中間報告書という位置づけになる。
 予算と実績の間に差異が生じていれば、当然計画の見直しを行うことになるが、この場合、計画自体が甘かったのか、それとも統制不能な事情により、不可抗力に近い要因で差異が生じたのかなどの分析がなされることになる。
 統制不能な事情とは、原油価格の高騰、自然災害などが典型的な例であるが、そうしたこともある程度は織り込んでおくべきであろうが、経営資源が脆弱な中小企業にとっては、そうした不測事態対応計画は立てにくい。
 いずれにしても、計画が達成されなかった事実は謙虚に受け止め、事前に投下した資本を合理的な方法で回収する施策を打ち立てなければならないから、経営環境の変化に対応した戦略を推進するために、経営資源を見直して再配分を検討することになる。
 このときに有力な手がかりを与えてくれるのが、先に行ったポジショニング分析である。先の記述では、この分析を行う目的を特定せず、市場における一般的な企業のポジションを測定する手法として紹介したが、ブランド力や企業イメージ、特定ニーズの充足度など、多様な目的に活用され応用範囲は極めて広い。
 例えば傍系の競争業者に、スクランブルをしかけ自社のシェア拡大を図る戦略、経営資源の脆弱さを認識して、フォロアー型に徹する戦略、新しいニーズを市場として捉える市場細分化戦略、場合によっては市場から撤退する戦略など、視野の広い検討を促すヒントを提供してくれる可能性は高まるものと思われる。