資金調達力は大きいですか

資金調達力といえば、かつては担保余力を意味したが、現在ではプロジェクトによってもたらされるキャッシュフローの確実性を重視する傾向が強まっている。といっても、中小企業の場合は、これを評価するのは金融機関である場合が多いので、必ずしも公正な評価が期待できるとは限らないかも知れない。
 もちろん調達能力というからには、担保力は有力なバックボーンとなっていることは現在でも変わりはないが、これに偏重した結果が現在の債務超過をもたらしたとも考えられるから、中小企業ばかりではなく、金融機関も含めてこの体制を見直すことが望まれる。
 多様な金融商品の出現により、あらゆる債権が証券化できる可能性が高まっている今日、プロジェクトの性格によっては、ファンドも利用できるので検討に値するが、中小企業にとってはまだ敷居が高いと感じる経営者も多いようである。
 いずれにしても、資金調達力は企業経営の要であるから、自社の潜在力を常に把握しておくことは必要であり、長期経営計画遂行のための積み立て、必要運転資本の確保、などの均衡に配慮しながら単年度の予算を編成しなければならない。
 資金調達力が大きいということは、適正な資金運用の結果でもあるわけであるから、これらは表裏一体の関係にあるといえるが、企業の現場では因果関係が逆になってしまっていることがあり、経営革新の妨げになっている。
 現在自社が目指している計画を推進するために、資金調達力が不足していると認識した場合、当然のことながら、代替案を検討することになるだろうが、この機会に経営資源を柔軟に活用する経営革新に取り組んでみてはどうだろう。例えば、ネットワーク化を推進することで、投資リスクを分散するなどである。