設備投資能力は高いですか

設備投資は、能力増強投資だけではなく、既存設備の老朽化に伴う更新投資もあるので、適正なタイミングを逸してしまうと、市場戦略に多大な影響を及ぼす場合もあり、多角的な視点からの検討が望まれるところである。
 ここでの中心課題は、資金調達であると思われるが、中小企業の場合は設備の償却能力よりも、担保力に重点を置いた投資計画が主流であったためか、ことごとくと言っていいほど償却力不足に悩まされている。
 これからの設備投資で最も注意したいことは、年々もたらされるキャッシュフローの値打ちをどのように見積もるかである。最近はキャッシュフロー割引法(現在価値法)なども用いて検討しているが、中小企業のなかには回収期間法による評価も根強く残っている。
 当然のことながら、設備投資はいったん実施されると、通常は減価償却という手続きを通じてしか回収できないので、安定したキャッシュフローが見込めなければ、例え資金調達力に余裕があったとしても、うかつに踏み切るべきではない。
 これまでの経緯をみてみると、資金調達力(担保力)に余裕があるため、設備投資を積極的に行ってきたが、その稼働率は一貫して低いまま、今日に至っているというケースも多く、投資効果について十分に検討されてこなかったことが覗われる。
 こうした明確な軌跡を目の当たりにしても、経営者は設備の能力不足を売上不振の第一の原因と主張してはばからない。国や地方自治体による設備貸与なども充実しているほか、中小企業向けの各種融資も多様なメニューがあり好ましいことではあるが、中小企業者の投資能力を見極める目を持たなければ、かえって追い詰める結果にもなりかねない。