社内にストックされている技術水準は高いですか

技術も人的能力の一つであるから、最終的には人材力と同じであるが、技術は取り扱い製品や設備投資との関連も深いので、純粋な技術力とはやや異なった角度からの検討が必要である。つまり、組織の土壌が多少腐りかけていた場合でも、仕事自体への興味が深ければ、自己実現意欲が醸成され、高い水準に達していることはよくあるからである。
 ただし、それでも何らかの事情で業績が悪化すれば、社内における技術力の評価も相対的に低下するので、リタイヤ、スピンアウトなどへの誘引に繋がるから、長期的には人材力の中に埋没して社外に流出される。
 ここでは、そこまでの状態に陥っていないことを前提にして、技術水準の高さを現在保有している経営資源として捉えると、経営戦略を練り直す場合の有力な拠り所となるので、慎重にかつ客観的に測定する必要がある。
 企業間の技術力は潜在的なものまで含めると、客観的に評価するのは難しいが、市場に投入されている既存の製品を分析することで、その水準を推定するのは業界の専門的知識を持ってすれば、それほど難しいことではないはずである。
 測定の結果、技術水準が他社に比べて多少劣っていたとしても、市場戦略上は多様な選択肢があるのでそれほど悩むことはないが、問題なのは評価軸がぶれていたり過大に評価してしまい自画自賛になっていないかである。
 経営資源の分析は技術力に限らず、市場の機会・脅威との対応関係において評価しなければならないことであるが、時には市場のニーズが存在しなくなっても、既存技術の転用を拒み続けることで、新しい市場機会を逸してしまうこともしばしば見受けられる。