あの社長は事業意欲が旺盛だなどとよく話題に上るが、その度合いを測る客観的な尺度があるわけではない。多分それは過去において経営革新に取り組み、成功をおさめたことに対するイメージの強さに起因するものだろう。
しかし、経営者本人にアンケートなどで、「あなたは事業意欲が旺盛な方だと思いますか」と問いかけると、「どちらかというと旺盛の方だと思う」という答えが圧倒的に多い。この事実みると、少なくとも経営者は、事業意欲があれば必ず成功するとは考えていないし、「成功」に対する評価もかなり個人差があることが覗われる。
このような視点で見ると、経営者は旺盛かどうか別として、かなり事業意欲は高いと見て差し支えないが、健康や年齢などからくる積極性の衰え、市場競争に敗れ財政基盤が衰退したような場合は、事業意欲が減退しているように見えるだけなのである。
一方、人材を経営資源と位置づければ、最大の経営資源である経営者の意欲は、経営成績を左右する重要な要素であることも事実であるから、主観的な尺度で経営資源の質を評価するのは適切な分析でないことになる。
すなわち、ここで言う事業意欲とは、経営者の主観的見方ではなく、経営計画で掲げた目標を達成したかどうかで事業意欲を測るしかない。乱暴な言い方をすれば、事業意欲があるということは、少なくとも一定水準以上の経営成果を上げたことが前提である。
「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強いのだ」という考えは、大相撲の世界だけではなく、企業経営についても当てはまることを自覚しなければならない。相撲界は、「マッタ」が許されるだけ大様である。
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