収益力の大きさでは、業界でどの程度の位置にありますか

収益力の大きさを測る指標として用いられるのは、売上高経常利益、総資本経常利益、収益フロー(税引き前利益)などが代表的なものである。中小企業では売上高営業利益や経営資本営業利益を用いるが、考え方にはそれほど相違ない。
 先に触れた財務分析で算出された数値を用いることになるが、利益の源泉という切り口から分析し、付加価値の構成要素としての位置づけを中心に触れるのではなく、人材も含めた総合的な経営資源の質量に着目して、潜在力を推定することを目的に分析する。
 具体的には、先に紹介した主成分分析と同じであるが、総資本と売上高や利益との相関関係を視覚的に捉えることで、業界の特性と自社のシェアを総合指標として、ポジショニングマップを描いて位置を確認する。
 この方法のメリットは、正確な財務指標が入手しにくい中小企業にとって、簡便法とも言うべきものであるが、売上高や経常利益といった、公表されている指標を活用できるので、比較的簡単に分析できることにある。
 ここで業界の位置づけを把握できれば、先に行った主成分分析と併用することで、同一水準にある他社の経営資源やその配分などが推定できるため、競争戦略を再構築するための有力な情報を入手できる可能性が高まる。
 単に業界での位置を知るだけでは意味はないが、その背後にある戦略から、そのまた背後にある経営資源を把握することの意義は大きい。原因と結果の連鎖が経営成績となると考えれば、小さなデータでも大きな情報に育て上げることができる。