企業はどのようなときに、市場目標の設定と戦略との間にミスマッチがあったと判定するのだろうか。一般的には、売上高や営業利益などの財務目標と、市場シェア戦略からなる経営計画を実施し、その結果とのギャップ(差異)を測定することで、市場対応戦略のミスマッチを把握することになる
もちろん、計画と実績の間に差異が生じるのは、市場対応戦略のミスマッチのみによって起るわけではないが、株主の信託権に応えることが義務づけられている経営者にとっては、計画値を下回れば、何らかの責任は免れられない。
もしこれがマーケティングの失敗に起因するものであれば、経営責任の取り方はともかく、早急に戦略を再構築しなければならない。何故ならば、マーケティングとは、価値の交換を最も効果的に行うための戦略であると考えれば、自社が市場に対して提供した製品やサービス(その複合体)の付加価値が消費者に受け入れらなかったことを意味する。
つまり、消費者ないし生活者から厳しい査定を受けた結果、計画した販売数量が伸び悩んだか、価格が拒絶され値引き販売を余儀なくされたかにより、財務目標あるいは市場目標を下回ったと見るべきである。
こうした状況に直面した場合、ショックが大きければ大きいほど、経営革新に逃げ込む場合が多いように思われる。例えば、IT化などに代表される技術革新により、情報武装することが、唯一シェア奪回の戦略であると結論づけ、迷わずこれに向かって方向を転換するわけであるが、抜本的な解決にならないことは自明の理である。
もちろん技術革新を導入することは、企業経営を維持発展させる原動力であるから、これを否定するものではないのは当然であるが、これでは、貯金箱を買えばお金が貯まると勘違いしているに等しく、経営理念のリストラを先行させなければ意味がない。
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