業界における自社の位置づけを確認とていますか

大企業ないし業界におけるリーダー型企業の場合は、売上高や経常利益などのランキングが容易に把握できるので、業界におけるポジションは明確にすることが可能であるが、中小企業の場合は、市場における販売シェアを把握しても、今後の戦略構築にはあまり大きな意味をもたない場合が多いように思われる。
 しかし、規模の大小を問わず、自社が業界においてどのようなポジションにあるかを把握することは、成長か撤退かを決定する意味においても、ぜひ把握しておきたいところであるが、前述のような理由もあり、マクロ的なデータのなかから必要なデータを収集し、自社にとって有用な情報に加工・分析するのは、中小企業にとっては負担になる。
 こうした場合に簡便法として用いられるのが、SWOT分析である。この方法は経営者の経験則が反映されるので、かなり実態を捉えているという利点もあるが、ブラインドとなっている外部との関係では、客観性にかけるという大きな欠陥がある。
 そうした場合、私はできるだけ地域や産地の経営データを収集して、主成分分析を行うことで、ポジショニングマップを描いてみることにしている。この場合のメリットは、収集したデータが多少不完全であっても、業界や業種の特性は明確に把握できるほか、自社の位置づけがビジュアルに表現できることにある。
 唯一の難点は、経営指標を用いるため、商品力とか人材不足などといった客観情報が、ストレートには把握できないということであるが、逆にこの結果を忠実に再分析することで、背後に潜んでいる戦略の誤りまで辿り着けるというメリットがある。
 例えば、この業界は設備型産業であるが市場は成熟化しており、営業利益率を伸ばしている企業は、設備資産は業界の平均以下でありながら、正味運転資本が充実しているため、アウトソーシングの活用、価格の安い仕入商品の販売、サプライチェーン・マネジメントの実践などにより、資金効率を高め相対的に固定費比率の引き下げに成功している。