消費の多様化は自社にとって有利にはたらいていると思いますか

社会の隅々にまであらゆる商品が行き亘っているといわれる今日、消費の多様化現象も加速化される傾向にあるのだろうか。確かに高度商品化社会は定着し、便利さは日々更新されてゆく傾向は変わることはないかもしれない。
 こうした社会が到来した背景を考えると、どうやら仕掛け人は製造者ないし販売業者だけではないことに気がつく。つまり、消費者のわがままが仕掛けた罠に業者がはまり込み、両者が共鳴し合って技術革新を促進させた形跡も十分覗われる。
 潜在的に満たされないニーズを抱えていた消費者は、ひとたび心に火がつくと、その要求も尋常なレベルを超えたものになり、あっという間に多様化が促進され新しい文化が形成されてしまう。技術革新が日進月歩の今日、ニーズ型とかシーズ型というカテゴリーで商品を分析する暇もないくらいである。
 こうした環境のまっただ中にある企業にとって、経営革新への取り組みは不可欠であるとしても、競争を意識するあまり、本来の使命を置き去りにしたままでは、大きなつけを背負わされることにも配慮しなければならない。
 自社が商品多様化をどのようなスタンスで捉えるかによって、現段階では脅威であっても、将来的には大きなビジネスチャンスとなることもあるし、その逆のケースもあり得るわけであるから、市場の変化には目が離せない。
 いずれの場合でも欠かせない視点は、消費者の特性と行動だろうと思われる。例えば、特定の地域とそこで暮らしている消費者の行動により、消費量や消費時期、消費行動などが異なるとしたら、小回りのきく中小企業ならではのセグメントも可能になり、多様化を市場細分化の線引きに活用できると考えることもできるからである。