国際化の影響をどの程度受けていますか

国際化の波は、あらゆるレベルの生活者に及んでおり、間接的な意味も含めれば、経営の現場に入り込み、大きな渦となって企業に変革を促しているが、中小企業の受け止め方は、プラス思考とマイナス思考様々であり、対応力とあいまって勝ち組と負け組みの形成を後押ししているようにも見える。
 マイナス思考組みの代表格は、セーフガードを強く要請する農産物関連産業であるが、おかれている現在の立場からの発想だけでは、国際化の波を乗り切ることは困難であるし、背後にある消費者の利益より、事業利益を優先する姿勢はデ・マーケティングの発想としか言いようがない感じがする。
 一方、プラス思考で取り組くむことのメリットは、波に逆らうのではなく、この勢いを利用するという発想がベースになっているわけであるから、何事につけても国際標準を念頭に行動するため、それだけ市場を拡大できるチャンスが自動的に舞い込む。
 例えば、保守的で防衛型の製造業の場合、単位当たり製品の販売価格に占める人件費比率は、12?13%という企業も結構多いが、国際化を積極的に受け入れようとする企業のなかには、同業でありながら、7%台まで引き下げに成功している。
 こうした積極型の企業は、需要の絶対量は落ち込んでいるのに、売上げや利益が伸びている。この増加分は、消極型が失った分に等しいという結果をみると、勝ち組と負け組みの形成メカニズムが理解できるような気がする。
 このように考えれば、国際化の影響を受けているかどうかという問題ではなく、国際化を呼び込む姿勢で挑むか、それともこれをブロックする方向を志向するかで、ビジネスチャンスの捉え方も大きく異なってくる。