組織構造モデル-その1(機能別組織)

 ここでは、組織構造モデルの種類とそれぞれの特徴やメリット・デメリットを明確にするため、「モデル」という言葉をつけているが、同様の内容でも単に「組織構造」として記述されている文章もある。モデルという言葉を付けたのは、実際に存在する組織構造の共通点まとめて分類したためである。現実には、実際の経営環境や戦略に合わせて組織構造が決定されるため、一見すると同じような組織構造であっても、細部では異なっていることがある。実際に組織構造の設計を行う場合、直面している経営環境の状況や企業組織として目指すところなどの条件に応じて選択する組織構造は変わってくる。

《組織構造の種類:機能別組織と事業部制組織》

 代表的な組織構造モデルを挙げると、「①機能別組織」「②事業部制組織」「③カンパニー制組織」「④マトリックス組織」「⑤チーム組織」「⑥ネットワーク組織」などがある。このうち、①~③までは、組織の階層性があるため、これら3つをまとめて「ヒエラルキー組織」と呼ぶことがある。

1.機能別組織

 機能別組織とは、製造、販売、調達、経理、総務など、担当する機能ごとに分けて組織を作成したものである。機能別組織のメリット・デメリットは、以下のようなものがある。

メリット

1) 同じ仕事を担当するスタッフが一つの組織内に集結するため、各担当者の持つ知識やスキルが共有されやすい。

2) 組織の専門性の向上や業務の効率性を高めることができる。

デメリット

1) 急激な市場環境の変化や企業組織を挙げて取り組むべき経営課題には対応しにくい。

2) 組織の権限や責任が限定されており、専門的な見方に偏りやすい。

3) 責任の所在が不明確になる。

 具体的には、全社的な利益を追い求めるよりも自らの部門だけの利益を追い求めがちになることや、幅広い視点から判断を下すことのできるマネジメント人材が育ちにくいということがある。その結果、組織・部門間での紛争が起きやすくなったり、最終的な意思決定がトップ・マネジメントに集中することが多くなり、部門間の調整に手間がかかって最終決定に時間がかかることになってしまう。

 一般的に、機能別組織は急激な変化の少ない安定的なビジネス環境において、組織内部の効率性や生産性の向上が成功要因となるような企業組織に適しているといえる。また、創業して成長期にある企業や、事業や製品のバラエティのそれほど大きくない企業でも採用されている。後述の事業部制組織やカンパニー制組織を採用している企業においても、多くの企業では個々の事業部やカンパニーの組織構造は機能別組織となっている。