(1)思考内容の文字化
当然のことであるが、思考内容は文字化されることが基本である。いろいろな思考の前提として、まずは文字にして見えるようにすることで、その効能が発揮される。それは以下に揚げる4点である。
①自分の考えが整理される
②自分の考えが俯瞰でき問題点や欠陥を見つけやすい
③自分の考えの範囲(スコープ)が明確になる
④他者との思考プロセスを共有しフィードバックを受ける
思考の前提として、フレームワークの王様が5W1Hである。つまり、事実を記述するにも重要だし、ビジネスの進め方を考えるときも看過できない。例えば、調味料の「さしすせそ」は、「さ」砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」は醤油、「そ」は味噌の〔そ〕になり、この順番で使用することが良いとされている。実は、仕事の5W1Hにも順番がある。まず一番に決めるべきは、理由(why)である。なぜ、何のためにやるのかをしっかり決めておけば、自分のやりたい内容がブレない。
次に、どうやって実現するのか、方法(how)を決める。理由と方法を決めれば、それを実現できるのは誰か(who)が決まる。どういう理由で、どういう方法で、誰が、何をやるかまで決まれば、あとは実現可能で有効な範囲で、いつ(when)、どこで(where)やるかを決めるだけである。この順番を間違えて仕事のやり直しを経験し、痛い目に合う人が多い。
(3)視点・視野・視座のバランス
思考するにあたって、どこを見て考えているかという視点、どこ(場所、時間)を見て考えているかという視野、どこ(どの立場)から見て考えているかという視座についても、確認しておく必要がある。同じテーマでも、視点・視野・視座が違えば、考えた結果は異なる。この点で、フレームワークというのは、視点・視野・視座を絞り込み、思考の支援をしている面もある。
フレームワークを上手く使えるようになることは重要だが、例えば、課長と部長の視座の違い(限界)も意識しなければならない。合わせて、鳥の目(俯瞰して見る:マクロで見て考える)、虫の目(小さな目で物事を見る:ミクロて見て考える)、魚の目(潮の流れを読む:時代や市場の変化を読む)で見ることも重要である。