事業戦略の策定-SWOT分析

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《SW(強み・弱み)をまず整理とてみる》

 強み(Strength)と弱み(Weakness)については、これまでの分析の中で何度も登場してきた。「自社・競合定量分析」」「バリューチェーン分析」「ターゲット顧客分析」「製品・サービス分析」において分析した、強みと弱みを整理することになる。また、強みのうち、KFS(競争の源泉になっているもの)であるものをピックアップしておくとより効果的である。というのも、SWOT分析は、どの視点で分析するかで、強みなのか弱みなのかが不明瞭になることが懸念されるからである。

《OT(機会・脅威)を整理する

 機会(Opportunity)と脅威(Threat)についても、ここまで分析した結果が活用できる。視点としては、「顧客の状況(需要とニーズ)」「業界の競争環境(新規参入、代替品、サプライ)」「競合の強み(競争ベンチマーク分析より)」「その他業界動向(法規制、技術動向など)」「KFSの新規充足可能性」が挙げられる。しかし、機会なのか脅威なのかという判断が難しいので、単純には整理できない。例えば、「調達価格が上昇して、利益を圧迫する可能性が高い」という動向は一見脅威に見える。しかし、競合価格上昇の影響を受けている一方、自社は独自の調達ルートを持っており、価格上昇の影響が少ない場合どうだろう。相対的に(競合と比較して)自社の利益率が上がる可能性がある。「競争に勝つ」という観点からは、「機会」と捉えられる。

 このように、業界全般や競合に与える影響と、自社に与える影響が異なる場合もある。機会・脅威の分析時には、自社と競合で影響が異なるかどうかを必ず念頭において整理するよう注意しなければならない。また、各機会・脅威が自社の売り上げ(金額、数量、単価、セグメント別数量...)や利益率(単価、コスト...)のどの要素に効いてくるのかまで整理しておくと、このあとの「戦略方向性の策定」フェーズ以降で役立つ。

《SWOT分析をする際の注意点》

 SWOT分析は、最低3回は行わなければならない。1回目は、まず現状の市場状況と競合のポジションをにらみながら、強みと弱み、機会と脅威、をそれぞれ整理していくことになるが、あまりに先読みしすぎると、戦略の策定に直結する分析になってしまうことになり、他の分析との整合性を欠くことにもなりかねないので、ここではまず、現状を見誤らないように実態をつかむ程度に止めておくべきである。

 2回目は、何を目的として、どんなことについて分析すべきかを意識して、強みと機会、強みと脅威、弱みと機会、弱みと脅威を組み合わせて、新しい強みや機会に見立てる組み合わせを発見したり、そのためには何が足りないかなどを考えるチャンスが見つかる可能性もある。要するにここでは、戦略の目指すべき方向を定めるための候補をプールする段階で、他の分析で明らかになった要素との相性を考えるステージでもある。

 3回目は、目指すべき戦略設計に当てはめて、SWOT分析を試みるわけである。もちろん、この3回目が最終と決まっているわけではなく、場合によっては何度も繰り返されることも珍しくはない。しかし、あまり回数を重ねると、分析のための分析にもなりかねないので、その辺の兼ね合いが難しい。しかし、戦略は将来に向けての意思決定であるから、現在の環境を読み込むだけでは不十分である。