論理的展開の難しさ

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 問題を解決するとき、論理的に展開できれば誰もが納得する可能性は高いと思われる。しかし、世の中に発生する問題が未解決あるいは意外な結末を迎えていることの多いことを思えば、解決がいかに難しいかが理解できる。だが、その前に何が問題なのかを正確に捉えることも結構難しいことに気がつく。通常、問題とは「目的」と「現状」との間のギャップと捉えられているので、目的がなければ問題も、それを解決するアクションもない。

 それでも現実には問題は屋も程ある。ということは、問題は何かを探すのではなく、まず、目的が何であるかを明確に定義できなければ、問題も定義できないということになるはずである。ところが、企業の現場でも、拙速に問題の解決を求めることが多いので、どんなアクションをとるべきかという解決策を論理的に定義することができていない。市場のニーズが目まぐるしく変化している現在、目的の修正や再設定も迫られている。

 意思決定問題の有用な手法として、ディシジョン・ツリーやロジックツリーという手法があるが、これを用いて色々挑戦してみたのだが一向にその糸口すら見つからない。当社にはこのような方法自体馴染まないのではないかという質問をよく受けたが、よく事情を聞いてみると、どうやら問題自体が明確に把握できていないことに問題があるようだ。
 つまり、問題が何かが特定されていなければ、前述のようにその解決はあり得ないわけであるから、どこまで行っても話が噛み合うはずがない。そこであらためて「問題とは何か」についてあらためて考えてみようと思うのだが、元々「問題」という言葉は回答を求める質問とか解決・研究すべき事柄、面倒な事柄というふうに辞書では説明されている。
 このような定義では益々不可解になるばかりで、回答が求められた時にその対極にあるものが「問題」であるとでも解釈するしかない。しかし、企業経営上で「問題」というからにはもっと切実で味も素っ気もないようなものとはかなり違うように思われるが、確かに捉えどころのないものであるかもしれない。そこでふと思い出したのだが、ハーバードA.サイモンの言葉である。

氏の著書「意思決定の科学」によれば、「問題解決は目標の設定、現状と目標(あるべき姿)との間の差異(ギャップ)の発見、それら特定の差異を減少させるのに適当な、記憶の中にある、もしくは探索による、あるいは道具または過程の適用という形で進行する」。要するに問題とはあるべき姿と現状のギャップであるいうことのようである。少なくとも、企業経営上の「問題」を定義的にいえばぴったりするので、これを一つの拠り所として説明すると解かりやすい。

 これを数式で表せば、「問題」=「目標」-「現状」ということになる。個人的には多少異論もあるが、何より解かりやすいのがいい。少しへ理屈的に言えば、現状に満足していればその人や組織にとって問題がないということになるわけだから、問題がなければ解決策も必要ないということにもなる。すなわち、問題解決には、目標と現状のギャップを感じた分だけ問題があるということになる訳だから、このギャップを測定して提示をしたとしても真の問題解決を見つけることは難しい。つまり、問題解決には目標設定が前提となる。